ビッグブラザージャパン2003
欧州11ヶ国とアメリカで行われているBig Brother Awardsが日本でも開催されることになりました。
ビッグブラザージャパン2003は、反監視国際NGOであるプライバシーインターナショナルが提唱し、世界中のあらゆる管理・監視システム*1に対し授与されるBig Brother Awards = ビッグブラザー賞の日本バージョンとして、BBJ2003実行委員会により提唱・組織されました。
という目的を持つこの賞の名前は、ジョージ・オーウェル小説「1984」において描かれた支配者「ビッグブラザー」から名づけらています。ビッグ・ブラザーは各家庭におかれた「テレスクリーン」というプロパガンダ装置によって、市民を洗脳、監視しました。その上、市民は「ビッグブラザー」の支配に気づくことも出来ないのです。
四月に行われたアメリカでは、Total Information Awareness(新たな個人の統合的なデータベース)ビン・ラディン("The USA PATRIOT ActとThe Homeland Security Act"の正当性の根拠となった為)、デルタ航空(CAPPS IIというシステムによって顧客が航行の妨げになる危険性は無いか「コミュニティーに根付いているか」によって判定した)、Viet Dinh(警察に過度の捜査権を認めるPATRIOT Actとthe Attorney General's Guidelinesの起草者)などが受賞しています*2。
ビッグブラザーアウォーズジャパンは六月二十九日に開催されます。現在はまだ候補の選定中なのですが、候補が決まり次第、ネット投票によって選定されます。その前日には国際フォーラムも予定されています。
実行委員会の白石孝事務局長はインタビューで日本の最も大きな、そして世界でも前例の無い問題としてNシステムを挙げています。Nシステムとは「すべての車両の移動をTVカメラとコンピュータによって監視・記録保存する、警察庁による国民監視システム」で、全国800ヶ所に設置され、車のナンバー、運転席、助手席などの記録を撮っています。
このように個人的な情報を網羅する「環境管理型権力」は、あまり情報を公にされることもなくその力を広げています。自分もNシステムとか撮影されてそう。セキュリティーの問題をもっと意識する必要がありそう。
*1:各国において一年で最も個人のプライバシー侵害に寄与したコンピューターシステム、企業、公人を表彰する。