こんなのいかがでしょう。

 ギレン総統が芥川賞を追悼してらっしゃいます。それはともかく、ファウスト2号買いました。まだぜんぜん読んでないですけど。
 しかし、舞城はそろそろ奈津川系の話を書いていただきたい。でも「私たちは素晴らしい愛の愛の愛の愛の愛の愛の愛の中にいる」や「好き好き大好き超愛してる」は良かった。「好き好き」の冒頭の祈りに関する文章は気に入って何回も読み返しましたよ。舞城のこういう少々クサイ文章がとても好きです。気になったときに読み返せるように引用しておきましょう。

 愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が皆に降り注ぐといい。僕は世界中の全ての人たちが好きだ。名前を知ってる人、知らない人、これから知ることになる人、これからも知らずに終わる人、そういう人を皆愛している。なぜならうまくすれば僕とそういう人たちはとても仲良くなれるし、そういう可能性があるということで、僕にとっては皆を愛するには十分なのだ。世界の全ての人々、皆の持つ僕との違いなんてもちろん僕にはかまわない。人は皆違って当然だ。皆の欠点や失策や間違いについてすら僕は別にどうでもいい。何かの偶然で知り合いになれる、ひょっとしたら友達になれる、もしかすると、お互いにとても大事な存在になれる、そういう可能性があるということで、僕は僕以外の人全員のことが好きなのだ。一人一人、知り合えばさらに、個別に愛することができる。僕たちはたまたまお互いのことを知らないけれど、知り合ったら、うまくすれば、もしかすると、さらに深く強く愛し合えるのだ。僕はだから、皆のために祈る。祈りはそのまま、愛なのだ。
舞城王太郎好き好き大好き超愛してる。」群像2004年1月号p.16

うーん。いい。あと「世界は密室でできている」の一章の終わり、ギャグに関するくだりも好きですね。ルンババ。ということで、新作を希望です。それまでは「コールド・スナップ」を読みましょう。