文芸2003 5月 この世を語る女子高生@Yomiuri Bookstand

 「舞城王太郎阿修羅ガール」 社会の主題を一身に」という題で舞城王太郎の記事が書かれています。

神戸の少年殺人、オウム真理教事件の衝撃を思い出しながら、加害者と自分を同一化していく主人公は、現代社会の重い主題を一身に引き受けているようにも見える。村上隆氏のアート同様、スーパーフラット(超平面的)な世界。

ただ、2年前のデビュー作『煙か土か食い物』(講談社ノベルス)で、不眠症の医者である主人公に言わせている。〈人生は混沌(こんとん)としていて文脈も主題もなく連続性すら時として失われてしまう。そこにはそもそも理由も原因も根拠もなく結果も帰結も結論もない〉。その上でなお世界を、物語を、どのように新たに作り上げていくか。かなり自覚的に取り組む書き手であることは確かだ。

 時間が出来たら読んでみよう。