情報技術が「知識を創る会議」をもたらす

 しかし、より重要なことは、知識生産の方法を大きく変えられる可能性があることだ。『スマートモバイル・ワークショップ』のチャットの例も含め、このような情報技術を使った追加的コミュニケーションによって、通常の議論とオンライン上での議論・情報交換が並行して進み、相互に影響しあうことで、これまでの議論の方法とは違う境地に入る可能性がある。もう少し具体的に言えば、第一に、議論を「濃く」する可能性がある。議論は議事録を振り返りながら、より緻密に行うことができるし、一方で時間の関係で発言できない人の議論を載せていくこともできる。この手法は、会議が進むにつれ、議論が互いに参照し合い、影響し合うのを助け、かつ会場からの議論を吸い上げて議論に吸収するのを助ける。このことによって、多くの人が参加する会議でも、短時間で議論を煮詰めることができるかもしれない。第二に、「情報を交換する」会議から、「知識を創る」会議へと質的な変化が起こる可能性がある。交わされた情報や議論はその場で加工され、共有され、必要があれば訂正され、その場にいる人に承認される。会議が終わった頃には、お互いに出し合った情報を記録したものではなく、その場で議論して生まれた知識が出来上がっている、という風になるかもしれない。

とても刺激的なんだけど、それ以前に環境を整えるのが難しすぎるなぁ。とりあえず自分もノートPCを買おう。