『日本の童貞』渋谷知美 文春文庫@Critique of games

 童貞をめぐる言説の変化を追った本らしいのですが、普通に笑えた。

 童貞夫に自信を持たせるよう、夫の好きな料理を作ってあげなさい、ワイシャツのボタンが外れたらすぐ付けてあげなさい、朝の出勤時は駅まで送っていきなさい、などの日常生活の心得から、「最初のキスで、あなたから下を入れてはいけません!男はリードされ過ぎるとシラケルのです」「脱いだ下着は、夫にまかせておきます。もし枕元においたらそっと隠してください」といった性交時のアドバイスまで、記事は過剰なまでの親切心であふれかえっている(74−02)。きわめつけは、「”処女を装う”エクスタシー用語集」だろう。

 お母さん・・・初めてへの不安とこわさ。/許して・・・受身の女性らしい表現。/こわい/痛いい・・・イ音を引っぱると女らしく響く。痛いワァの言い方ですととてもエレガントです。/あたるゥ・・・男性自身が触れたとき。/イヤ、イヤ、許して・・・頭を左右に振ると効果的。女性の本能である拒絶反応を意味する。/ダメダメ(声を出したほうが親密度が高まる)(74−02)

 こんなことを本当にいう女性がいたら、そのことのほうが「こわい」。…

まったくです。あと、マツトウヤユミとキタカタケンゾウの童貞に対する見解の類似がおもしろい。あの「ユーミン」が…。